SSブログ

ガリレオと推論 [宇宙]


ガリレオ、といっても名探偵ではなくて、物理学者ガリレオ・ガリレイの話。
「重いものが軽いものより速く地上へ落下する」
というアリストテレスの主張を実験により、
くつがえしたことは有名である。

お正月に吉田武さんの『虚数の情緒』という本を読んでいたら、
「物体の落下速度は、その重さに依らない」ことを推論により導き出す方法が
載っていた。この方法は次の通り。

(1) 「重いものほど速く落ちる」と仮定する。
(2) 物体A 2kg、物体B 1kgとすると、
  仮定により、Aは、Bより速く落ちる筈である。
(3) 2つの物体を紐で結ぶと、Aにとって、Bはブレーキになるので、
  Bの落下速度 < (A+B)の落下速度 <Aの落下速度
となる筈である。
(4) ところが、物体 (A+B)の重さは3kgであり、仮定によれば、
  Bの落下速度 < Aの落下速度<(A+B)の落下速度
  とならなければならない。
(5) (3)と(4)は矛盾する。これは(1)の仮定に誤りがあった為である。
(6) 従って、「物体の落下速度は、その重さに依らない」と推論される。

物体が落下する際に働く力は、重力と空気力があります。
アリストテレスは、それをごっちゃにして主張していたのを
ガリレオが巧に空気力を分離して、重力に対する考察を深めました。
実際には、実験により、「物体の落下速度は、その重さに依らない」を
証明したのですが、この推論もなかなか面白いです。
(純粋には(3)の部分が、別の前提をおいているように見えますが)

写真は、昨日、かつての織田信長の居城に登った時の、
登山道にかけてあった標識です。。

虚数の情緒―中学生からの全方位独学法

虚数の情緒―中学生からの全方位独学法

  • 作者: 吉田 武
  • 出版社/メーカー: 東海大学出版会
  • 発売日: 2000/03
  • メディア: 単行本


nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 2

小学校の時、書道の得意な先生が、卒業記念として色紙に好きな言葉を書いてくださいました。その時、僕がリクエストした言葉がガリレオの「それでも地球は~」でした。昔のことを思い出しながら読ませていただきました。
by (2008-01-14 21:32) 

miron

☆lapisさん、コメント&niceありがとうございます。
先生にガリレオの言葉を書いてもらう小学生のlapisさんの姿を思い浮かべて、ほほえましく思いました。蛇足ですが、信長が亡くなった1582年は、ガリレオはピサ大学の大学生だった様です。
by miron (2008-01-15 20:37) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

のだめで正月風邪をひいた時の夢 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。