千と千尋の名前の関係2 [宮崎駿]
千尋の「尋」の字について、白川静氏の常用字解に、概略以下の説明があります。
「右と左を組み合わせた形。
左は左手に呪具の工をもつ形。
右は、右手に神への祈りの分である祝詞をを入れる器を持つ形。
両手で舞ながら神を尋ねるの意味となる。」
映画にぴったりの字ですね。
さて、今日テーマにしたいのは、ハクのことです。
白龍の白や琥珀から、ハクとも考えられますが、別の観点から考えて見たいと思います。
映画内に、くつ(靴というより沓かな)のエピソードがあります。
銭湯に入る時には、くつは脱ぐのですが、
銭湯から出るには、くつは「はく」必要があります。
つまり、「はく」は、銭湯から出るために必要なのです。
また、生き物は、食べたものは、排泄する必要があります。
(たしか、もののけ姫の後、宮崎駿さんは、肥田めの映画を撮りたいようなことを
言っていたような記憶がありますが。間違えていたらすみません。)
この映画では、排泄の代わりに、カオナシ(オカシナことに、ナウシカとも字面が似ていますね。)による、吐く行為が描かれます。
顔無しは、「吐く」(出す)ことで、銭湯から出ていくのです。
入り口から入ったら、出口から出る。(入り口と出口は同じ場所かもしれませんが)
このシンプルな構造が、この映画の安定感の一因かも知れません。
(神話的な要素は、私は、詳しくないので良く分からないです。。)
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