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昼下がりの翻訳夜話 [村上春樹]

村上春樹さんと柴田元幸さんの「翻訳夜話」という本があります。
翻訳についてのフォーラムを纏めた本で、
「夜話」とは、艶っぽい大人の話ではなく、辞書をひくと、
「肩のこらない、軽い話」という意味です。

お二人が生徒や若い翻訳者たちと、
とても楽しい雰囲気の中で、翻訳について思う存分話されていて、
とても気持ちの良い本です。

春樹さんは、翻訳をする時は、
自分を徹底的に捨てて訳す(創作では無いのだから)そうです。
それでも、なおかつ、浮かんでくるのが自己のスタイルなんですね。
翻訳について、とても愛情が溢れており、また真摯な姿勢が垣間見えます。

私自身は、中学生程度の語学力ですが(本当の話。笑)、
昔、出来心で、絵本の翻訳コンテストに応募したことがあります。
「TWO of Everything」という、Lily Toy Hongさんの、
可愛い「おじいさん」と「おばあさん」と、
なんでも2個にすることができる不思議な壷のお話です。

私は、このタイトルを超意訳で、
「2こ2こ ぽん! ぽん!」と訳して応募しました。
今となっては、思い出すのも恥ずかしい。

話は変わって、
ビリーワイルダー監督で、オードリヘップバーン主演の、
「昼下がりの情事」というとても楽しい恋愛映画があります。
原題は、「Love In the Afternoon」

当時(1957年)としては、この映画で描かれるLoveは情事だったのでしょうか?
名タイトルだとは思いますが、
現代の感覚では、少しヘップバーンが、可哀想です。
今なら、そのままカタカナで、日本語タイトルになりそうですが、
あえて、私が意訳するとしたら、
「アフタヌーンティを御一緒に」とか「3時に逢いましょう」とかかなぁと。
(これも、テレビ番組のタイトルで見たような気が。
翻訳夜話を読んでからは、この意訳はまずいかなぁという気もしてきました。)

さて、「翻訳夜話」ですが、本タイトルの終わりの3文字「くやわ」は、
ひっくりかえすと、「わやく(和訳)」となります。
気になるなぁ。


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コメント 5

りんたろ

本や映画の邦題って、それだけで売れるか売れないか決まってしまうほど大切なものなのでしょうね。
「2こ2こ ぽん!ぽん!」って読んでみたくなるタイトルだと思いますよ。
関係ないですが、(和訳ではなくて英訳ですが)
昨日のTVの漫談の中の話。
仁侠映画の感動的シーンで「かたじけない、親分」(涙)に
Thank you, chief.と字幕がでていたんですって。軽っ!ほんとかなぁ。
by りんたろ (2005-01-31 20:02) 

miron

りんたろさん、温かいコメントありがとう。
Thank you, chief.は、確かに軽いですね。笑。
念のため、親分を英語でなんて言うか調べたら、
最初に、big [great] white chief と書いてあった。。
やっぱりchiefなんだろうか。
でも、イメージ的には、fatherとかGodfatherを使いたくなりますね。
by miron (2005-02-02 19:21) 

英語とかむっかしくてむっかしくてなんもわからんっす。
by (2005-02-04 19:05) 

-hiraku-

私もこの本についてブログを書いたので、TBさせていただきました。タイトルに「わやく」が隠されているなんてぜんぜん気づきませんでした。。。すごいです!@v@b またお邪魔します。^v^
by -hiraku- (2005-10-03 15:12) 

miron

hirakuさん、TBありがとうございます。
hirakuさんのブログ、早速読みました。
とても面白くて、ためになりました。
これからも宜しくお願いします。
by miron (2005-10-04 10:51) 

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