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偉大なるジョブス [パソコン]

御存知の方も多いと思いますが、スティーブ・ジョブスという人は、アップルコンピュータを創立し、現在のCEOです。彼の人生は、まさしく波瀾万丈です。
多少間違えているかも知れないけど、簡単に紹介すると、
1955年に、私生児として誕生。後述の本によると、デイビッド・カッパーフィールドのような孤児は、想像もできないほどの不利な条件で人生を始めなければならない。
サンフランシスコに住む自動車の機械工ポールと妻クララに引き取られ、養子として育つ。
青春時代、エレクトロニクスや"ヒッピー文化"の洗礼を受ける。
1975年、ジョブスは20歳で、友人であるエレクトロニクスの天才ウォズと二人でガレージで会社を作り、最初のパソコンともいうべきアップルIIや、マウスやウインドウを備えた革新的なパソコン、マッキントッシュを売り出す。アップルIIはウォズの設計による製品で、マッキントッシュは、ジョブスがチームを鼓舞して作り上げた製品ともいうべきものであった。
アップルは大きな会社となっていた。ジョブスは人の能力を引き出すが、その言動から人から恨まれることも多く、創立から10年、ペプシから社長に招いたスカリーにアップル社を追い出される。この時、若干30才。
次にジョブスは、NeXTという新しいコンピュータの会社をつくります。また、ジョージ・ルーカスが離婚費用捻出の為に売り出していたピクサーを買いとります。

月日がたち90年代後半、アップル社は、Windwosに押され、またMac の心臓部である次ぎのOSの開発に躓き、他のOSを求めることとなる。この代替OSとして、BeOSや、WindowsNTと争って、最終的にNeXTのOSが選ばれ、ジョブスのNeXT社は高額でアップル社に買収される。そして、NeXTのOSをベースにMacOSXが開発されることとなる。
NeXTの買収とともに、アップル社に奇跡的に復帰したジョブスは、暫定CEO(iCEO)として、iMacやiPodを売り出し、瀕死だったアップル社の経営を立て直す。ピクサーもアニメ映画のヒット作を連発し、ジョブスはカリスマ経営者としての名声を不動のものとする。

さて、15年以上前の古い本だけど、ジョブスが、アップル社を追い出された、最悪の頃に書かれた本『スティーブ・ジョブズ パーソナル・コンピュータを創った男』(原題は、STEVE JOBS The journey is the reward )が手元にある。(rewardは報いの意味もある。)
最近は、ジョブスは、こうした本が書かれるのは嫌がっているようだけど、この本は、取材が充実していて凄い本だと思う。

この本の扉には、スコット・フィッツジェラルドが29才で書いた『グレート・ギャツビー』
(野崎孝訳)から、次ぎの箇所が引用されている。
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・・・ギャツビーが、ディズィの家の桟橋の突端に輝く緑色の灯をはじめて見つけたときの彼の驚きを思い浮べた。彼は、長い旅路の果てにこの青々とした芝生にたどりついたのだが、その彼の夢はあまりに身近に見えて、これをつかみそこなうことなどありえないと思われたにちがいない。しかし彼の夢は、実は彼の背後になってしまったことを、彼は知らなかったのだ。ニューヨークのかなたに茫漠とひろがるあの広大な謎の世界のどこか、共和国の原野が夜空の下に黒々と起伏しているあのあたりにこそ、彼の夢はあったのだ。
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この一文は、『グレート・ギャツビー』の最後の方の、素晴らしく美しい文章である。
20年前、アップル社を離れNeXTを始める時のジョブスの心境を表すのに使われている。
しかし、ジョブスはその後、流れに逆らい、力のかぎり漕ぎ進み、
夢をまたもや掴んだかのように見える。

1ヶ月ぐらい前に紹介されていたスティーブ・ジョブスのスピーチの日本語訳は、
とても良いものなので、未だの方は御一読をお勧めします。
http://pla-net.org/blog/archives/2005/07/post_87.html


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seedsbook

ジョブスのスピーチは少し前によんで、感激していました。
by seedsbook (2005-08-28 15:23) 

miron

seedsboosさんへ、いつもコメントありがとうございます。
ジョブスのスピーチは、心に響きますよね。
seedsboosさんも読んでおられて、嬉しいです。
スピーチを読むと、ジョブスさんは、相変わらず、ハングリーですが、
上述の本に書かれている身勝手さや子供っぽさが消え、
落ち着いたユーモアと人間的な温かさが感じられるようになったと思います。

『散歩絵、記憶箱の中身』は、いつもとても楽しみに拝見しています。
書こうと思うコメントが上手く整理できなくて、
今の所、コメント書けなくて申し訳ないです。
by miron (2005-08-28 17:43) 

miron さん、こんばんは
スティーブ・ジョブスのスピーチ、ご紹介いただき、ありがとうございました。
とても素晴らしいスピーチでした。読んだばかりなので、感想が書けませんが、
読むことが出来て本当に良かったと思います。
by (2005-08-28 19:32) 

miron

lapisさんへ、ジョブスのスピーチを何度か繰り返し読みました。
アップル製品の紹介の基調講演もいつも上手いなぁと思っていたのですが、
こうした、大学生に向けてのスピーチがこれ程、素晴らしいとは、
予想していませんでした。日本語訳して下さった人にも感謝します。
by miron (2005-09-03 09:09) 

fongrong

今の「点」を信じたいですね。
by fongrong (2005-09-04 01:48) 

miron

ホォンロンさんへ、
「バラバラの点であっても将来それが何らかのかたちで必ず繋がっていくと信じる」という、ジョブスの言葉ですね。
お互いよい仕事をしましょう。
今の点が、将来繋がることを信じて。
by miron (2005-09-04 07:13) 

Jolly

はじめまして、今頃ジョブスのスピーチを知りまして
ブログに掲載しました。TBさせていただきます、どうぞよろしく
お願いします。
by Jolly (2005-09-19 23:09) 

miron

Jollyさん、はじめまして。
TB、上手くできていないように見えます。
宜しければ、御確認願います。
ジョブスさんのスピーチ、素晴らしいですよね。
by miron (2005-09-23 09:37) 

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