山小屋のミステリィ [小話]
山小屋の怪談という、有名な怪談がある。
(ミステリィ作家 森博嗣さんもお気に入りの話のようで、
MORI LOG ACADEMYにも、とりあげられたことがあります。)
だいたい、こんな話です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
雪山で吹雪の中、4人の登山者が、山小屋に辿りつく。
山小屋の中は真っ暗で、とても寒い。
眠ってしまうのは危険だ。
そこで、4人は、一晩中起きておくために、
以下の様に、体を動かす工夫を考えた。
(1) 4人はそれぞれ、山小屋(ほぼ正方形)の4隅に移動して座る。
(2) まず、1人目が、壁沿いに歩いて、次の隅の人にタッチして座る。
(3) タッチされた人は、その次のコーナーへ向かって歩き、
その次の隅の人にタッチして座る。
(3)を繰り返すことで、4人は、一晩中、歩いては、座る、
を繰り返し、朝を迎えることができた。
下山する途中、1人がきづく。
「おかしいぞ。4人以外に、誰かいた?」
4人以外にもう1人いないと、
4隅を使って、ぐるぐる周り続けるリレーはできないのである。
従って、山小屋で死んだ幽霊などが、もう1人いたことなる、
という怪談である。 (ちょっと難しい?)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここからは、僕のオリジナルでお楽しみ下さい。
さて、トリックを使えば、架空の1人は必要ありません。
そして、これは怪談ではなく、ミステリィだと考えることができます。
つまり、他のメンバーを怖がらせた愉快犯が、
この4人の中にいるということになります。(おぉ!)
そのトリックが可能なのは、ずばり4人の内の2人だけです。
それは、最初に歩き出した1人(1番目の人)か、
4番目に歩き出した人です。
最初に歩き出した人は、2番目の人にタッチして座り、
2番目の人が歩き出したのを確認した後、そっと立ち上がり、
最初の隅に戻って、なにげなく座ります。
次の周で、4番目の人にタッチされたら、次の隅に行くフリをしながら、
実際は部屋を対角線に横切り、
2番目の人にタッチしてから1つ前の隅に戻るという
最初と同じ動作を繰り返します。
これにより、他の3人には知られずに、
リレーを繰り返すことが可能です。
これと同じように、4番目の人も対角線に歩いて、
タッチした後、1つ前の隅に戻ることで、
他の3人には知られずに、リレーを繰り返すことが可能です。
2番目と3番目の人は、他に気づかれないようにするのは、
ちょっと難しい。(また、新たなトリックがあれば別ですが。。)
この容疑者、1番目の人か4番目の人の内、
犯人はどちらでしょうか?
このリレーを提案した人が一番疑わしいでしょうね。
(しかし、4人でこのリレーができると考えた他の3人も
問題だと思いますが。。)
誰も気づいてくれないと、愉快犯の意味がないので、
「おかしいぞ。4人以外に、誰かいた?」
と言った人も怪しいですね。
「このリレーを提案した人」と「おかしいぞ、と気づいた人」
が同一で、かつ、1番目か4番目の人であれば、
かなりの確度で、その人が犯人だと考えられます。
ということを、山小屋の夜に、怪談替わりに話すと、
皆、眠っちゃうんだろうなぁ。
(ミステリィ作家 森博嗣さんもお気に入りの話のようで、
MORI LOG ACADEMYにも、とりあげられたことがあります。)
だいたい、こんな話です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
雪山で吹雪の中、4人の登山者が、山小屋に辿りつく。
山小屋の中は真っ暗で、とても寒い。
眠ってしまうのは危険だ。
そこで、4人は、一晩中起きておくために、
以下の様に、体を動かす工夫を考えた。
(1) 4人はそれぞれ、山小屋(ほぼ正方形)の4隅に移動して座る。
(2) まず、1人目が、壁沿いに歩いて、次の隅の人にタッチして座る。
(3) タッチされた人は、その次のコーナーへ向かって歩き、
その次の隅の人にタッチして座る。
(3)を繰り返すことで、4人は、一晩中、歩いては、座る、
を繰り返し、朝を迎えることができた。
下山する途中、1人がきづく。
「おかしいぞ。4人以外に、誰かいた?」
4人以外にもう1人いないと、
4隅を使って、ぐるぐる周り続けるリレーはできないのである。
従って、山小屋で死んだ幽霊などが、もう1人いたことなる、
という怪談である。 (ちょっと難しい?)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここからは、僕のオリジナルでお楽しみ下さい。
さて、トリックを使えば、架空の1人は必要ありません。
そして、これは怪談ではなく、ミステリィだと考えることができます。
つまり、他のメンバーを怖がらせた愉快犯が、
この4人の中にいるということになります。(おぉ!)
そのトリックが可能なのは、ずばり4人の内の2人だけです。
それは、最初に歩き出した1人(1番目の人)か、
4番目に歩き出した人です。
最初に歩き出した人は、2番目の人にタッチして座り、
2番目の人が歩き出したのを確認した後、そっと立ち上がり、
最初の隅に戻って、なにげなく座ります。
次の周で、4番目の人にタッチされたら、次の隅に行くフリをしながら、
実際は部屋を対角線に横切り、
2番目の人にタッチしてから1つ前の隅に戻るという
最初と同じ動作を繰り返します。
これにより、他の3人には知られずに、
リレーを繰り返すことが可能です。
これと同じように、4番目の人も対角線に歩いて、
タッチした後、1つ前の隅に戻ることで、
他の3人には知られずに、リレーを繰り返すことが可能です。
2番目と3番目の人は、他に気づかれないようにするのは、
ちょっと難しい。(また、新たなトリックがあれば別ですが。。)
この容疑者、1番目の人か4番目の人の内、
犯人はどちらでしょうか?
このリレーを提案した人が一番疑わしいでしょうね。
(しかし、4人でこのリレーができると考えた他の3人も
問題だと思いますが。。)
誰も気づいてくれないと、愉快犯の意味がないので、
「おかしいぞ。4人以外に、誰かいた?」
と言った人も怪しいですね。
「このリレーを提案した人」と「おかしいぞ、と気づいた人」
が同一で、かつ、1番目か4番目の人であれば、
かなりの確度で、その人が犯人だと考えられます。
ということを、山小屋の夜に、怪談替わりに話すと、
皆、眠っちゃうんだろうなぁ。
2009-04-04 10:04
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コメント(4)
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mironさん、こんばんは。
そうそう、5人いないと4人目の人がタッチ出来ないんですよね。
小野不由美『くらのかみ』(講談社 2003)の最初に出て来ます。
「4人(しびと)ゲーム」だったかな?‥‥5人目は「座敷童子」
という設定だった。
「MORI LOG ACADEMY」が終わっちゃったのは残念ですが、
7月に出る『トーマの心臓』(萩尾望都のノヴェライズ)が愉しみ。
『1Q84』は2巻本ということなので安堵しました^^;
by sknys (2009-04-06 00:38)
☆sknysさん、こんばんは。
5人いないと4人目の人がタッチ出来ないというのは、
結構、盲点ですよね。
部活で、往復のダッシュ・リレーを3人で繰り返しやったこと
を、ちょっと思い出しました。
往復する点の数+1人いるんですね。
小野不由美『くらのかみ』面白そうですね。
また、機会があったら読んでみます。
今は、『囚人のジレンマ』を半分ちょっとまで読みました。
無茶苦茶面白いです。
知的でユーモアがあって、シニカルだけど温かくて。
『トーマの心臓』ノヴェライズは、僕も楽しみにしています。
どのようなリリカルでロジカルな文章で、
あの美しいマンガの世界を文字に写すのか、興味シンシンです。
『1Q84』は、僕もいつもと同じく日曜版の新聞の
新潮社の広告欄で確認しました。
2000枚で2冊。ねじまき鳥よりは少ないですね。
安堵ですか。僕は、もうちょっと多くても読む覚悟ができていましたが。
初夏とは5月下旬だったのか。
by miron (2009-04-06 20:56)
お恥ずかしいのですが、マヌケなので絵書きました。
確かに4人では出来ませんね。
mironさまの続きのお話も面白いです。
マヌケですから
ー「あっ誰か今おならした!」
「そう?」
「あっ本当だ!」
「言いだした本人が怪しい!」-
なんて古くて大して受けない冗談を思い出しました。
by Mercedes (2009-04-09 20:48)
☆Mercedesさん、こんばんは。
絵に描くと、分かり易いですよね。
この記事にも絵をつければ良かった。
続きの話も面白く読んでいただきありがとうございます。
おならのネタは、マンガの意地悪ばあさんにも出てくる
好きなオチで、僕も時どき思い出します。
by miron (2009-04-10 21:51)